クラシックなフレンチデザートは試してみる価値があるもの。数多くある中から、有名なものをご紹介。
![]()

| TEXT : Cheryl White / TRANSLATION : Azusa Tanaka / Category : SWEETS |
2010.01.12
繊細。難しい。手がこんでいて軽く、贅沢で豪華。これらすべて、スフレを表現する言葉だ。通常、スターターやデザートと考えられているけれど、この大変万能な食べ物は、それ自体で素晴らしい食事になりうるかもしれない。

スフレは本来、繊細で壊れやすい食べ物なので、オーブンから出したままのふっくらした形は、10分から20分しか保つことができない。だから、フランスの料理界の草分け、マダム・サン・タンジュが言ったこんな格言がある。「スフレは、待たれることはできるが、待つことはできない」
フランス料理の伝統に照らし合わせてみても、スフレは洗練されているが、せっかちな料理であることは事実。期待に胸をふくらませて待つ人は、スフレがいったいいつ、そのふっくらした頂点を極めるかが決してわからないので、ひたすら待たねばならない。その間中ずっと、自分たちが選んだスフレが正しかったかどうか、思い悩みながら…。なぜなら信じられないことに、こんなにクラシックで難しい料理なのに、多くの種類があるからだ。香りのよい野菜、肉、魚にチーズ、いろいろなフルーツ、そしてとろけるおいしさのチョコレート、バター、ダブルチョコレート…どれもが素晴らしいスフレをつくりあげる!

PHOTO : avlxyz
昔ながらの、均等に火を通すための丸皿に入れて焼けば、スフレは各々のプディングとしても、友人たちと分けて食べることもできる。スフレの一番上のさっくりした表面を、“ドキドキしながらスプーンでたたくと”、中からフルーツや甘いソースが入ったクリーミーな中身が姿をあらわす。食欲をそそるチーズやソースが、スフレの豊潤な卵の香りととてもよく混ざり合う。またグランマニエやカルバドス、カシスなどのリキュールも、試してみる価値ありのおいしさ。私のお気に入りはチョコレートソースで、スフレの生地に加えるか、スフレの上からとろりとかけるタイプ。テーブルに運ばれてくるのを、今か今かと待っている時間があるからこそ、スフレは最高なのだ。

スフレをびっくりするくらいの高さに焼き上げるには、丸皿が不可欠だ。熟練シェフは、注意を払って卵白を割り入れ、空気を加えるために撹拌する。あとの仕事は、熱々のオーブンにおまかせ。熱により空気の泡が膨らむことによって、皿のふちに生地が押しつけられる。スフレが運ばれるときは、それとは逆のことがおこる。つまり、冷気が空気の泡を縮めることになる。このため、最初は豪華で高貴なデザートが、すぐに食べないとパンケーキよりも平たくなってしまうのだ。
フランス料理の中でも特筆すべきこのお菓子には、確かな腕と辛抱強さが必要だ。多くの人は、スフレを料理したり、スフレに苦悩したりするには、人生は短すぎると思っている。上手にできるか? 充分な時間、ふっくらしていてくれるか? 私もそんなことを心配するひとりではあるけれど、そんな人へアドバイス。自分でつくるより、スフレを出してくれるレストランを探して、このエレガントなデザートを楽しもう!
東京・西麻布にある、すばらしいスフレの専門店はこちら。
Le Souffle(ル・スフレ)/東京都港区西麻布3-13-10
Open. 12:00~22:00/Tel. 03-5474-0909/月曜定休
|
|