LATELY

私が大好きなケーキ

私が大好きなケーキは、すべて子供のころの思い出と結びついている。チョコレートとクリームのスイスロールは、真ん中にホイップクリームが入った贅沢なチョコレートロール。バター添えでいただくデイト&ウォルナッツロールは、アフタヌーンティーのケーキとして最高!ラミントンは、オーストラリアのスポンジケーキ。キューブ状にカットされ、表面にチョコレートがたっぷり、仕上げにココナッツをまぶしたもの。バースデーケーキは、どんなタイプでもOK!キャロットケーキは、サワークリームをたっぷりつけて、シンプルにおいしい!

TASTE
さあ!ケーキを食べよう。

2009.12.15

さあ!ケーキを食べよう。

かのマリーアントワネットが、「それならケーキを食べればいいじゃないの」と本当に言ったかどうか…議論の余地はあるけれど、この言葉と永遠に関連づけられるのは、彼女の運命である。結局のところ、この言葉が冷淡で思いやりのないものであったとしても、今ならはっきり“はい、喜んで!”と答えられるだろう。すべての人から歓喜の叫びをひきだすチョコレートとは違って、ケーキはデザートの世界の静かなる優等生。子供のころや、家庭の思い出と強く結びついている。バースデーケーキ、洗礼式のケーキ、ウェディングケーキやお茶の時間のケーキ…。ケーキは毎日のように食べられてきたようで実際はそうでもなく、食べられるときは、たいてい「セレモニーと一緒」だ。

材料の割合比率がケーキ作りの基本。そのアレンジは自由自在だ

ケーキは、実につつましい食べ物だ。ほとんどのケーキは、3つか4つの材料を割合の少ないものから順番に混ぜ合わせてつくる。かつてナンバーケーキと呼ばれた生地の基本的な比率1、2、3、4を倍にすると、2、4、6、8プディングと呼ばれるプディングができる。材料は料理を組み立てるブロックだ。割合の1はバター、2が砂糖、3が卵で、4は粉。卵を牛乳にかえたり、粉を“ナッツミールに”、またバターをオイルに変えたりは、日常的なこと。独創的な主婦やプロのシェフは、みんなこの割合を採用し、さらに手を加えて数多くの素晴らしいケーキ…大きかったり小さかったり、軽かったり濃厚だったり、甘かったり香辛料が効いていたり…をつくり上げてきた。ケーキをつくるには、まずはじめに卵と砂糖をクリーム状になるまでかきまぜる方法と、すべての材料を一気にまぜる方法がある。これがつくられるケーキのスタイルを分類するのに役立つ。

バターケーキ、コンチネンタルケーキにプチフール。どのケーキにも違った魅力が秘められている

バターケーキは、もちろんバターでつくられる。このケーキに人気があるのは、個性的な味わいであることはもちろん、スポンジケーキのように通常バターが含まれていないものとは違い、バターがケーキを長い間新鮮に保ってくれるからだ。しかし他のことと同様、ケーキにも例外はたくさんある。たとえば、フランスのスポンジケーキ“ジェノワ”には、溶かしたバターが加えられている。簡単ミックスケーキはケーキの素と、バターのような固形油よりもっと手早く混ぜ合わせられる液体の油を、一緒にひとつのボールの中で混ぜ合わせてつくる。最後に、“コンチネンタルケーキ——こってりしたケーキ”には、たいてい凝った飾りつけがされ、念入りにデザインされている。何層にも分かれているケーキでガトーと言われるものだが、アーモンドやヘーゼルナッツなどを主な材料として使うときは、トルテと呼ばれている。ケーキショップではクリームを工夫して、コンチネンタルケーキにさまざまな特徴を出している。

しかし実際、多くの人が好むものといえば、カップケーキにちがいない。パタケーキやフェアリーケーキ、クイーンケーキ、ジェムケーキなど、いくつもの名前で知られているが、香りをつけたり、デコレーションされたりして、もっとも舌の肥えた人々の期待にこたえることができる。もともとラミキンカップや陶器のカップに入れ家庭のオーブンでつくられていたから、カップケーキと呼ばれたと考えられていたが、実際は計量カップでつくられたケーキだ。一方、パウンドケーキは重さをはかることによって、つまりパウンド単位でつくられていたのである。

カップケーキをもっともハイレベルに表現したものが、完璧な形、上品なフォンダンアイシングがほどこされたプチフールだとしたら、おそらく日常的でありながら手のこんだパタケーキは、その対極にあるだろう。このケーキはそのまま出されれば、一口サイズで濃厚なバター風味の、伝統的な家庭の味だ。それはデコレーションしたり、“蝶型” にしたりすることもできる。つまり、カップケーキの上部に穴をあけ、そこにクリームを入れたり、“2枚の小さな蝶の羽”のようにつくり変えたりするのだ。クリームのかわりにチョコレートかストロベリー、その他のフレーバーでも構わない。アイシングをしたり、粉砂糖をまぶしたりしてもOK。でもいちばん大切なことは、すべてのおいしいケーキと同様、誰かの口に入るということなのである。