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| TEXT : Cheryl White / PHOTO : FotoosVanRobin / TRANSLATION : Sakuko Yanagi Category : INGREDIENTS |
2009.07.08
花吹雪とともに散りゆく桜は、移ろいやすい自然そのものだ。その姿は、私たちに自然の恵みを感じさせるだけでなく、季節の移りかわりを思い出させてくれる。
おなじく、料理人は“旬”をテーブルの上へと運ぶことで、季節の移ろいを知らせてくれる。
春、4月から6月にかかる数週間は、繊細、そして優雅な風味を持つ、ある素材の旬である。その生産には人の手が加えられるため、完全には“母なる大地の産物”とはいえないかもしれない……が、どちらにしても、その美味しさにはかわりない。純白の至宝――それはホワイト アスパラガス。

ホワイト アスパラガスは美食の嗜みのひとつといえる。その上品かつ、たくましいフレーバーはスープ、サラダ、アルコール用(ジン)の素材、また驚くことにデザートまで、数々の料理に恩恵を授けてきた。
グリーン アスパラガスのほうが一般的で生産数も豊富だが、実はグリーン アスパラガスとホワイト アスパラガスは同じ品種であって、その違いは生産方法にある。土で覆い、日光に当てず育てることで、繊細で複雑な味わいを持つホワイト アスパラガスは誕生する。その成長は早く、槍のような穂先が土から出る直前に収穫されなければ、すぐに変色してしまう。
そのはかない旬、そして熟練を要する収穫法ゆえに高価であることから、ホワイト アスパラガスはヨーロッパで“「ホワイト ゴールド(白金)」と呼ばれることもある。そのため、多くの料理人はこれを料理の主役に据える。ポーチド エッグとホワイト アスパラガスにオランデーズ ソースをかけたもの、もしくはビネグレット ソースに浸した組み合わせは、どちらも伝統的で飽きのこない食べ方だ。
しかし、独創的な料理人は素材自体の組み合わせ、また伝統的な調理法を駆使するなどして、常に新しい創作に挑戦している。ホワイト アスパラガスの砂糖漬けにブラッド オレンジ ムースの組み合わせ、またアスパラガスのクッキーなどが、その新しい創作の一例である。

ホワイト アスパラガスの産地はヨーロッパ。なかでも最高の物はフランス産といわれているが、ホーランド産、ドイツ産もひけをとらない。ドイツで毎年開催される“Spargelzeit(ドイツ語のアスパラガス) festival”では、ソースをかけ、肉と茹でたジャガイモが添えられた料理を中心に、様々な形でホワイト アスパラガスを堪能できる。
こうしてホワイト アスパラガスを味わう狂乱は、フェスティバルの期間中ずっと続く……しかし満開の桜と同じく、それが過ぎ去るのもあっという間だ。
ホワイトアスパラガスを楽しむなら?
・プロヴィナージュ(シェフ西浦 泰之)/東京都港区西麻布3-1-19 小山ビル 2F
・グランドハイアット東京 フレンチキッチンブラッセリー&バー/東京都港区六本木6-10-3
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