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| TEXT : Cheryl White / PHOTO : mojosaurus / TRANSLATION : Azusa Tanaka Category : GOURMET TRIVIA |
2010.06.04
豊かで多様性に富む中国文化は、世界の料理界に、さまざまな素晴らしい調理スタイルや、幾千もの興味深い素材、多くの驚くべき味わいを紹介してきた。中華料理を調べることは、やりがいがあり、そして美味しい旅だ!さあ、まず典型的な中華料理:アヒルから旅をはじめよう。
忠誠のシンボルから、世界的料理へ。
アヒルは、中華レストランの象徴だ。世界中どこでも、中華街にあるレストランの軒先ウィンドウに、わびしく首から吊るされていることからもわかるように、アヒルは典型的なメニューであるだけでなく、式典や祝典にも必ず登場する。中国の言い伝えによると、アヒルは“忠誠のシンボル”で、それゆえ新年や結婚式でサーブされる。中国の食事でのアヒルの重要性は、アヒルを使った料理方法が何百もあることから推察できるだろう。興味深いことに、中国の主な地域ごとの料理はすべて、世界的に有名なアヒルのレシピを生み出しているのだ。
地域の特色をあらわす、アヒル料理。
中でもおそらく、ペキンダックにまさるものはない。名前から想像できるように、ペキンダックはペキン、現在のベイジン(北京)周辺で生まれた。この地域は北部の食の中心で、料理は厳しい気候の影響を受けている。つまり米はほとんどとれず、そのかわり穀物を多く生産し、リーク(ポロネギ)やエシャロットのような野菜が、主たる料理となっている。また宮廷周辺に腕のいいシェフが集中していることで、“より洗練された調理法”がここで紹介された。ペキンダックは、小麦粉とゴマ油からつくられる“マンダリン”パンケーキに包まれてサーブされる。これらは、繊細で洗練された“宮廷”料理だ。パリッとしたアヒルの皮と厚切りの肉を、細切りのエシャロット、キュウリと一緒に海鮮醤(カイセンジャン)を塗ったパンケーキで包む。残りのアヒルの骨や肉や脂は、あたたかいスープとしてサーブされる。
さらに南部、広東は“高級中華料理”の故郷として知られている。ここでは、新鮮な素材:野菜やシーフード、ポーク、鶏肉や米などが豊富だ。この地域のシェフは、手早く軽快にこれらの素材を調理することを好む。これにより、素材が持つ自然の香りを壊さずにすむのだ。ここでサーブされるアヒルは、皮を赤くするソースでおおわれている。赤は中国では幸せの色なので、幸運を呼び込むと考えられているのだ。
目を東に向けると、上海は近隣からいろいろ借りてくる地域だ。ベガーチキン(乞食鶏)やドランケンチキン(酔っぱらい鶏)のようなたくさんの鶏肉料理が有名なのも頷ける。もっとも有名なアヒル料理といえば、上海ダックだろう。このアヒルは、醤油、砂糖、シナモン、スターアニスなどのソースをかけて調理する。ほかの有名なアヒル料理とは違い、この料理はアヒルを丸ごとではなく、厚切りにカットして調理し、バーベキューすることも多い。
最後に華南地方の西、四川地方は、Zhangchaダック(茶葉の上でスモークしたアヒル料理)の故郷だ。華南といえば、“強烈に辛い四川風チリ調味料”を連想するが、この料理はそれに比べ少し繊細だ。スモークしたアヒルと花椒(山椒の一種)を使うのが特徴。この胡椒は五香粉のうちの1つの成分で、アヒルとの組み合わせは面白い作用—食べるとカーッと熱くなる作用と、それを和らげる作用—をあわせもつ。
これら4つの豪華なアヒル料理は、中国の地域ごとの料理の、想像を超えた味と特色を垣間みるだけにすぎない。ありがたいことに、もっと試してみたいものはたくさんあるのだ!
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