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2009.08.27
かつて日本のコーヒーショップや“喫茶店”は、労働者やビジネスマンが、世俗的な存在から逃避する場所だった。タバコの煙がたちこめる中、苦いコーヒーをぐいっと飲みほす姿がよく見られたものだ。選択肢といえば、ブラックコーヒーかミルクコーヒーか、またホットかアイスか、くらいのもの。そんな日々も遠い昔。ここ日本で、洗練されたコーヒー文化への地殻変動がおこったのだ。

いつも市場へ最初に影響を与えてきたのは、“ヨーロッパのスタイル”だった。スタイリッシュなカフェとフレンチ&イタリアンコーヒースタイルの登場によって、ありとあらゆる人々がこの文化に参加できるようになった。余暇の時間が増えるにしたがい、カフェは誰でも気軽に出かけていって、コーヒーをのみ、自分の時間を楽しめる場所になったのだ。人々は心地よい喧噪の中で、外を眺めたり読書したりするようになったのである。
次にスターバックスに入ってみよう。巨大なアメリカのコーヒーショップチェーンは、日本のコーヒーショップに変化をもたらした。大きくて快適なイス、現代的で開放的な空間、そして、無線LANが使えること…など。また新たな側面も生み出した。いわゆる“サードプレイス(第3の空間)”である。家や仕事場ではなく、リラックスしてラップトップを開き、仕事をすることができるのだ。またそうでなくても、サードプレイスでは、友達に会ったり、ゆっくり時間を楽しんだり…そのすごし方はあなた次第。ほかのコーヒーショップも追随し、すぐに、街の角々にそんな店がたくさんあらわれた。


PHOTO : nalundgaard
しかし、ヨーロッパのカフェの魅力は、消えてしまったわけではない。ヨーロッパのコーヒーのほうがおいしいと思っている人はたくさんいる。“ヨーロッパスタイルのほうが格好いい”と感じているのだ。事実、ヨーロッパのカフェとコーヒーは、日本の家庭でのコーヒー消費に新しい影響を与えている。家でコーヒーを楽しみたいと思う人々は、ヨーロッパの新しいコーヒーメーカーを手にいれる。最先端のデザインで使いやすいコーヒーメーカーは、今や多くの日本のキッチンで見られるようになった。最近の調査では、40歳以下の日本人のうち50%以上が、3ヶ月以内に自分の家でコーヒーを楽しんでいるという結果がみられ、ライフスタイルの変化を映し出している。自分の家で、友人や家族のために“カフェスタイルのコーヒーを再現すること”は、文化の変化のあらわれといってもいいだろう。
コーヒーショップの次の変化を、誰が予想することができるだろうか? 確実に言えることは、日本にコーヒー文化は定着している、ということなのである。
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