自給自足のエコ・ビレッジを立ち上げたマクロビ先駆者/中島デコさんインタビュー
2011.10.25カテゴリー: インタビュー ニュース フード 有名人・アーティスト
30年程前からマクロビオティックを学び始め、日本では先駆け的な存在である中島デコさん。料理研究家という肩書きの他に、現在は千葉にて自給自足のライフスタイルを基本とするエコ・ビレッジ「ブラウンズフィールド」を開かれています。自然を愛するスタッフたちと共に、オーガニックな野菜やお米を作り、希望者には宿泊できる施設なども備え、持続可能な暮らしを模索されているというデコさん。プライベートでは2男3女の母親でもある彼女に、マクロビオティックについて、ブラウンズフィールドについて、そして女性としての生き方についてもお話を伺ってきました。
◆マクロビという言葉が浸透しただけでも進歩◆
—中島さんがマクロビを本格的に学び始めた25歳の頃と現在では、マクロビを取り巻く環境はどのように変化していますか?
今は、周囲が変わってきたので、本当にありがたいですね。「マクロビ」という言葉を皆さんに知ってもらっているだけでも。私が始めた当時は、マクロビというよりは「玄米菜食」、「正食」なんて呼ばれたりしていました。殆ど世の中には浸透していなかったので、普通の人に「玄米を食べている」と言うだけで、怪しい宗教だと思われたり、ちょっと斜めに見られたり、受け入れられないことも多かったです。
マクロビは逆輸入です。海外のスタイルだと思っていて、「マクロビの創始者は日本人だ」なんて言うとビックリする方も多いですが、桜沢如一先生の功績ですものね。ここ5年くらいでしょうか、私が本を出したくらいから、随分マクロビに対する見方が変わってきた気がします。今やっと日本に思想が戻ってきて、少しずつ受け入れられ始めていますよね。環境的に有難いことです。でも、もっともっと広がってほしいし、今の状況でもまだまだかな、と感じています。
—マクロビは近年、メディアでも沢山取り上げられていますね。
最近、やっと雑誌やラジオなどで取り上げてもらえるようになりましたね。でも日本のメディアは難しい面もあって、「卵や砂糖がダメ、牛乳や乳製品もダメ」なんて言うと、色々と経済的に支障が出てしまうという理由もあるのでしょう。もうそろそろ、マクロビでの料理番組などがあってもいいと思うのですが、大手の資本やスポンサーの問題などで、テレビなどで取り上げてもらうのは、なかなか難しいようですね。テレビでも認めざるを得ないくらい、皆さんの間に浸透していけば、メディアも変わっていくのかな、なんて思ったりはしますけどね。
—マクロビ啓蒙者の一人となられた中島さん。最初からその意識を強く持たれていたのでしょうか?
いえいえ、全てなりゆきですよ。マクロビをやる前は、料理にもそれほど興味もありませんでした。ただ、もっと健康になりたいとか、マクロビの思想自体に興味があったので、スクールに通い始めたのですね。私は、流れに身を任せたほうが、何でもうまくいくかな、と思っているタイプなので、すべて流れのなかでやってきました。「こうしよう、ああしよう」と計画したりも、あまりしませんね。娘に「それで大丈夫なの?」と言われることもありますが(笑)。
◆無駄な経験は一つもなかった◆
—たくましくポジティブに自らの道を切り開いてきた中島さん。心がけていることは?
「下手の考え、休むに似たり(=良い知恵もないのにいくら考えても、時間が経つばかりで何の効果もない)」なんて言葉にもあるように、私も、あまり考えたり悩んだりしても大して進歩がないから、ポジティブになって、とにかく前向きに行動するしかない、と思っています。日々の生活は進んでいくわけなので、立ち止まっている場合じゃないよね、という感じかな。
ポジティブになるためには、自分のなかで少し訓練も必要かもしれません。心がけて、考え方を良い方向に持っていくようにすれば、だんだん、自然にできるようになっていきますよ。例えば、子供が怪我をして血を流して泣いていたら、「大丈夫?痛かった?」ではなくて、「良かったね、このくらいで済んで。脚が折れてなくて良かったね」、と声をかけてみる。つまらない例えですが(笑)、どんなシチュエーションでも、こんな風に「プラスの面」から捉える考え方の癖をつけると、何が起きても受け入れやすくなります。究極的には、「命があって良かったね」というところに行き着きますしね。
—影響を受けた方や、尊敬される方はいらっしゃいますか?
私は、あまり偉い人や有名な人に憧れることはないのですが、周りのお友達や、自分と同じように子育てをしているお母さんたちから学んだことは、多いかもしれません。子供への接し方や、生活の仕方など。でも一番もらったものが多いのは、やはり自分の母親からでしょうか。普通のおばちゃんですが(笑)、わざわざ言葉にしなくても、ポジティブな精神力があって、周りを明るくする人です。何か相談したときに、いつも最終的には「まあ、生きているだけでいいよ」と言ってくれます。私も母のように生きていきたいと思いますね。
—人生のなかで、最も悩んだ時期や、人生のターニングポイントは?
大変な時期ということで言えば、3人の子供を連れて離婚した頃でしょうか。今振り返ってみたら、あのとき、彼に他に好きな女性が表れなかったら、私は今の旦那さんに会えなかったし、その下の子供たちにも会えるべくもなかった。今となってみれば、昔の旦那さんに、「ありがとうございます」と感謝したい気持ちでいっぱいです(笑)。他にも、私は若い頃、舞台女優のようなことをやっていて、当時は女優になるために劇団に入り、色々と勉強もしていました。そのときの夢は叶わなかったけど、今こうしてマクロビのことを教えるにあたって、人前に立つときの所作とか、人に分かってもらえるような話し方とか、あの頃の勉強がとても役に立っています。
自分の辿ってきた人生のなかに、一つも無駄なことはないし、全部が「良かったな」と思える。自分でその都度、「これでいいんだ」と腹をくくる癖をつけていくと、最終的には何でも「ありがたい」と感じられるようになります。だから、もしうまくいかない事があっても、自分の殻に閉じこもるのではなく、一生懸命、目の前にあることに取り組み、しっかりと生活してこなしていくことが大事。それが必ず、先々に繋がっていきます。ネガティブに考えているだけの時間や労力なんて、本当にもったいない!主婦ですから、私は「もったいない」とよく言います(笑)。でもこれはマクロビの精神とも同じですね。玄米も野菜の皮も、栄養も豊富なのにもったいない、ちゃんと食べようよ、ということですから。
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タグ: エコ・ビレッジ, ブラウンズフィールド, マクロビオティック, 中島デコ















