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TEXT : Makiko Kamiya / PHOTO : Jun Miyashita /
Category : RESTAURANT
2009.12.18
東京、西麻布―。六本木通りにさりげなく出された看板を頼りにビルの2階へ上がると、葡萄のモチーフに彩られた、フレンチ・レストラン「provinage(プロヴィナージュ)」の入り口を見つけることができる。
2006年にオープンしたこの店の名前は、今ではほとんど行われなくなった〝ブルゴーニュ地方の伝統的なブドウ樹の繁殖法〟に由来している。店の設えやメニュー、ワインリストに至るまでを采配するソムリエの田中浩史氏は「ここを親木として、レストランprovinageのDNAを受け継いだ店が出来ていくように」と、その名をつけた。もちろん、エネルギッシュで才気溢れるソムリエとシェフが互いにタッグを組んで、ワインとメニューの幸福なマリアージュを届けたい、という心意気にも満ちた名前だ。

オープン当初からこだわるのは「冷涼な地域で育まれたワイン」。ソムリエの田中氏は「オーストリア、ドイツ、そしてフランスのブルゴーニュから上、ロワール、アルザス、シャンパーニュ、ジュラ・サヴォワ地方…、冷涼地のワインは食中酒として大変優れた特性を持つと考えています」と語る。「ワインはそもそも、食中酒として楽しむもの。ボルドー・ワインはもちろん素晴らしく店のリストにも入れていますが、気候が温暖な地域のワインは果実味が強かったり、アルコール度数が高めであったり、ワインだけが突出したインパクトを残す場合が多い。僕が冷涼な地域のワインにこだわるのは、さりげなく料理と寄り添い、そして互いに引き立て合える素晴らしいワインが多いからなんです」

PHOTO:Jun Miyashita
今回お話を伺ったソムリエの田中浩史さん。「ただワインが好きなだけなら、レストランをやらなくてもいい。ワインと料理を媒介にお客様を喜ばせたい。自らがサーヴィスできる飲食業の世界が心底、好きなんですね」
数々の飲食店で経験を積み、2003年に36歳でソムリエとしてのキャリアをスタートさせた田中氏。「もっと若い頃にワインの勉強を始めたら、回り道も多かったと思います」と笑う。「ソムリエとしては遅いスタートでしたが、その分、味覚は繊細なものを求めていました。品種でいえばピノ・ノワールですとか、アタックは強くないがまろやかな深みがある。そして、僕が今もこだわりを持ってセレクトしている、オーストリアのワインについては、最初に衝撃的な出会いがありまして…」
ソムリエとして最初に勤務したレストランでは、恵比寿の某グランメゾン出身の先輩ソムリエがいた。そのリストから秘かに〝グランメゾン基準〟を学んでいた頃、出会ったのがオーストリア産「ニコライホフ フォン シュタイン リースリング スマラクト1995」。「チェックしたその瞬間にノックアウトされるような、そのワインが持っているピーク時の爆発力。それは、ワインという概念を超えた瞬間でした」

客として、そんな幸せな「ノックアウト」を味わいたいなら、経験豊富なソムリエのサーヴィスに頼るに限る。provinageでは、田中氏がときには現地のワイナリーを視察し、長年の経験によるコネクションもフル活用したワインリストが用意されている。レストランではなかなかお目にかからないウィーン産ワインがグラスで楽しめるのも、心憎い。取材時に用意してもらった〝とっておきの銘柄〟に合わせたのは「フォアグラのソテー コンソメとポトフ仕立て 根菜とともに」。なめらかなフォアグラの口当たりと、ほっと温まる根菜のポトフが女性の心をグッとつかむ一皿!

PHOTO:Jun Miyashita
表面を焼き、中はレアのままコンソメでじっくり火を通されたフォアグラ。口の中でまったりと溶けていくよう!「フォアグラのソテー コンソメポトフ仕立て 根菜とともに」(夜のメニューから)
シェフの北川泰行氏はフランスと国内を合わせ十数軒のキャリアを持つ、フレンチの気鋭。この秋からprovinageでその腕を奮うこととなった。「僕自身、野菜が大好きでたくさんの種類を召しあがっていただきたいな、と思います。今回は契約農家から仕入れた有機野菜、ビーツ、姫大根、姫人参、ごぼう、黄かぶ、プチヴェール、紫人参などをあしらいました。野菜は多少苦みがあるほうが、ワインとよく合いますね」(北川シェフ)
6席あるカウンターには、時折、女性のひとり客も座る。「お酒が好きで、ひとりでもゆっくり楽しみたいお客様が多いですね。そんなときは、他のお客様の目線が気にならないよう、工夫したサーヴィスを心掛けています」、と田中氏。寒さが増し、よりいっそう滋味深まる冬の味覚を楽しみに、大切な人と、そしてときには〝ひとりの時間〟を楽しむために、provinageの扉を開いてみては?
provinage(プロヴィナージュ)
東京都港区西麻布3-1-19 小山ビル 2F
Tel. 03-5772-7272
Lunch 11:30~14:00 L.O (Sat. 15:30 L.O)
Dinner 18:00~22:30 L.O
日曜定休
(翌月曜日が祝日の場合は、日曜日は営業。祝日の月曜日は休業)
http://www.provinage.com/
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