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| TEXT : Cheryl White / TRANSLATION : Azusa Tanaka / Category : ESSAY | |
2011.04.28
シャトー・マルゴーを訪れるときは誰もが、ある種の期待や畏敬の念を持つ。何世紀もの間、ボルドーだけでなく世界中の最高級ワインのひとつであるという高い評判を得ているシャトー・マルゴーは、決して失望させることはない。パラディオ式スタイルのシャトー、それを取り囲む建物、そして敷地は本当に素晴らしい。建物への道へ続く大きな木が並んだ、広くて均整のとれた美しい通りが、シャトーのエステートへと誘う。ほかのどこにもないような世界への入口に。
テイスティングルームとして使われ、またバレルルームへの入口でもあるロッジの中は、あたたかいもてなしの雰囲気に包まれていた。最高責任者のポール・ポンタリエ氏は、居心地のよさそうな椅子に腰を落ち着けると、言葉を交わしたりテイスティングをすることで、シャトーの存在理由であるワインの世界に、私たちを無理なく導いてくれた。
1996年マルゴー、テイスティングということを忘れる味わい
ワインのエキスパートであるウィラハン麻未さんは、ボルドーの“特別な”ヴィンテージのひとつである、1996年のマルゴーに特に興味を持った。ロバート・パーカーに99点の評価を受けたこのワインを(彼はまたこれを“偉大なる古典のひとつ”と呼んでいる)、ポンタリエ氏はとても気前良く、テイスティングのためにボトルを開けてくれた。
ウィラハンさんはポンタリエ氏に、どのくらいの間、このヴィンテージは熟成できるか、と聞いた。答えは驚くべきものだった。“たぶん、あと40年かな”とポンタリエ氏は言ったのだ。そして即座に続けて、“今日もとても飲み頃だよ。もちろん。”微笑みながら“テイスティングで吐き出してしまうのにはもったいないね。”と付け加えた。私たちのボルドーでのテイスティングは、上等なワインに関する儀式に従って行われた。見て、回して、香りをかいで、味わい、そして吐き出す。それが試飲の厳しいラウンドを乗り切る、たったひとつの方法だ。しかし私たち全員、彼のその意見に賛成した。1996年のワインは、吐き出してしまうにはもったいない。ポンタリエ氏は、またベストアドバイスをつけ加えてくれた。マルゴーの飲み頃というのは、“そのチャンスが巡ってきたとき”だ…と。
ポンタリエ氏は、シャトー・マルゴーが、ラベルのための大変厳しい選別を経たトップクラスであることを説明してくれた。たとえば2009年ヴィンテージは、収穫されたブドウのたった36%しか使っていないのだ。もちろん、最高級のブドウのみが使うことを許され、その結果として、マルゴーのなかでも最もハイスタンダードなものを上回ることが約束されるのだ。同じことが、パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー2009年にも当てはまる。これはシャトーの白ワインだが、セカンドラベルではなく、100%ソーヴィニョン・ブランを使い、そしてこれも最高級のブドウからつくられ、やはり収穫のたった32%しか使われない。ポンタリエ氏はこう言い切った。これは“おそらく、今までで最高のパヴィヨン・ブラン・ヴィンテージだろう”と。
テイスティングのあと、広大なバレルルームとシャトーに属している樽職人を生産する部屋を回ることで、シャトー・マルゴーが高品質を保ち続け、よりすぐりのブドウから最高級のワインをつくり続けたいという、プロ意識をより強く感じることができた。あらゆる点で、シャトー・マルゴーの評判が今後何年にもわたって安泰であることが見て取れたのだった。
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