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ボルドーワイン旅行記~シャトー・カノン1~

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2010.09.30

ボルドーワイン旅行記~シャトー・カノン1~

シャトー・カノンは、ボルドーワインの未来の姿を表している。伝統にどっぷりつかり、土地の区画は、由緒正しく厳しくコントロールされたアペラシオンを使うという、決められた法則や規則にしばられ、現代のワイン生産者はワインだけでなく、シャトーも改造したり作り替えたりしなければならない。

ジョン・コラサとステファン・ボネーゼは、シャトー・カノンでその責務を指揮している。この古いシャトーは、1700年からワインの生産を続けていたが、1990年代までには苦境に陥っていた。1996年、シャネルグループが後を引き継ぎ、好転させるため財政的支援もした。バレルルームなどに、新しくより現代的な方法が紹介され、広大な敷地のカヴェルネ・ソービニヨンのブドウの木は抜かれ、かわりにメルローとカヴェルネ・フランが植えられた。カヴェルネ・フランは、ワインにしっかりした味と、後味のよさ、優雅さを与え、メルローは、まろやかさと濃さをもたらす。その結果、素晴らしい熟成の可能性を秘めた、滑らかでシルキーなワインができあがる。

伝統と革新、どちらが正しいのか、そのこたえは、極上のワイン

しかし、当時そのブドウの種類を変える決断は、ワイン評論家やワイン業者の間では嘲笑を招いた。“誰にでも自分の仕事があるものだ”ジョン・コラサは、中傷する人に対してそう言う。カヴェルネ・ソービニヨンは1970年代に流行ったブドウで、ここのテロワール従来のものではない。ここでは、もっと伝統的なブドウのほうが土地にしっくり合うようだ。しかし現在カノンで生産されるワインが、かつての中でもベストだと言われているという事実が、ブドウを植え替えたことは正当だと証明しているのだ。

大切なことは、シャトー・カノンのチームは、ブドウに打ち込んでいるということ。1年中、一生懸命作業しているということは、ブドウは急がせられてもいないし、放っておかれてもいないということを示している。ブドウを大切に摘み取り、やさしく仕分けすることで、ワイン生産に使われる最上級のブドウだけをもたらしてくれる。ブドウは、仕分け机の上でやさしく揺すられ、移動させて端から落とすだけ。シャトー・カノンでは、この段階のブドウを“キャビア”と呼ぶ。贅沢で、繊細に選ばれた農作物だからだ。

シャトー・カノンは、その歴史と伝統を敬いつつ、生産物と質の高さを保つために、時間とともに変化している。ブドウ園とセラーを改良するときの創造力と大胆さは、シャトー・カノンとそのワインの偉大なる未来の証となっているのである。