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尽きることのないオパールへの情熱~ブルース・ハーディング

2010.07.07

尽きることのないオパールへの情熱~ブルース・ハーディング

ブルース・ハーディングと一緒にいると若かった頃のことを思い出します。日本でジュエリーの製作を25年以上続けているにもかかわらず、自らのテーマに対する尽きることない彼の熱意や情熱は疑う余地がありません。そしてそれはどうやら他人へも伝染するようです。東京のレストランで一緒に座っているうちに、私は共に彼の美しいジュエリーに魅了され、すっかりそのとりこになってしまいました。ダイアモンド、ルビー、エメラルド、そして何よりもオパールは、彼の素晴らしいデザインや台枠の上で命を吹き込まれ輝きを増すのです。


PHOTO : Bruce Harding
ブルース・ハーディング

時には極秘の鉱山をも含む世界の様々な場所から原石を調達することから、それぞれの宝石がもつ特徴を最高に引き出す独特のデザインを生み出すことにまで、彼は100%関わっています。彼の京都の仕事場から生み出される作品の1つ1つが、まるでミニチュアの芸術作品のようです。

ジュエリーという枠組みを超えてオパールの華麗な輝きを表現する方法とは?

オーストラリア出身のブルースと同じく、オパールもオーストラリアを産地とします。ブルースは彼のオパールについてよく知っています。彼が愛情をこめて見せてくれた写真に写るオパールの数々は、彼が受けたインスピレーションによってコンテンポラリー・アートの形に変えられ、今は世界各地のオーナーの元にあります。

「オパールは終わりだよ!」と彼は嘆いていました。
どうやら、大きな石はごく限られた富裕層のコレクション以外では見つけるのが難しくなってきており、ブルースはオパールの華麗な栄光を守るというミッションに1人きりで取り組んでいるようです。高度なデジタル写真の技術と自身の確かな審美眼を用いて、彼は絶え間なく変化するオパールの色と魂を素晴らしい芸術作品の中に閉じ込めました。これらは壁を飾るだけでなく、スカーフやバッグにネクタイ、面白いところでは思いがけない色のきらめきをもたらすスーツやコートの裏地といった「身につけられるアート」にも美しい彩りをもたらしています。

京都の伝統技術とのコラボレーションで生み出される新たな美

興味深いのは、ブルースが、オパールからインスパイアされた彼の革新的なデザインを喜んで受け入れる京都の伝統職人の人達と一緒に働くことにこだわっている点です。中には創業200年以上の歴史を持つ着物の染物業の会社も。絹を扱う伝統的な技法を用いつつ、この現代的なデザインをデザイナーズ着物やファッションアイテムに取り入れています。さらにワクワクすることに、彼らは家具デザインに使用するレザーまで開発しているのです。ブルースはこの新たなアートの冒険に夢中です。なぜなら、これがオパールの生き残りにきわめて重要だと考えているからです。

ブルースは彼のミッションを、エコフレンドリーな汚れなき京都の環境から、ジュエリーの世界へと広げています。地域の著名な職人として自身の独特なデザインを発表すると共に、世間の関心を集めることを願いながら彼のメッセージを広めていくでしょう。きっと他のクリエイターや企業家の人々とかかわりを持つことで、彼のデザインは新たな命をオパールの中に吹き込むことでしょう。彼の美しいジュエリーは今でも買えますが、今やデジタルアートや身につけられるアートという形で、急速に消滅していく資源をそれ以上枯渇させずに、オリジナルの輝きを放つオパールを所有する喜びを多くの人が体験することが可能なのです。

ブルースのデザインは彼のウェブサイト「Dream Time」から