ジャーナリスト、ブロガー、スタイリスト、デザイナーと超多面的に活躍するミーシャ・ジャネット。高校生の折、留学先として選んだ日本のカルチャーや東京ファッションに魅了され、2004年に再来日。以降、現在の活躍に至っています。SHOT Magazineではこのたび、そんなミーシャさんの素顔に迫る、ロング・インタビューを敢行。今秋の東京コレクションの舞台裏や、ファッションの魅力を日々発信し続けるミーシャさんの仕事ぶり、幼少期から現在に至るまでのストーリー、そして変身したい女性へのファッション・アドバイスなどについても伺ってきました。ぜひお楽しみください。
◆2011ファッション・ウィーク!◆
-VOGUE主催のファッションズ・ナイトアウト(※)が先日行われ、非常に盛り上がったと伺いました。ミーシャさんも参加されたとのことですが、何が一番エキサイティングでしたか?
アフターパーティーで、アナ・ウィンターさん(Anna Wintour/米VOGUE編集長)と一緒に写真を撮らせてもらったことです。日中、何度もお見かけしてはいたのですが、お忙しそうでしたし、アフターパーティーでも、なかなか声をかけるチャンスがありませんでした。彼女は、何と言っても「ファッション業界の女王様」ですので……。でも、他の方にその話をしたところ、「私はさっき写真を撮ってもらったよ、あなたも勇気出して行ってみれば?」と言われ、ちょうど彼女が帰ろうとしていたところで、勇気を出して声をかけ、引き止めることができたのです! 彼女に、私のVOGUEのバックナンバーのネールアートを見てもらったり、2ショットを撮ってもらったりしました。
—10月からは東京コレクションが始まり、いわゆる日本の“ファッション・ウィーク”が続いていますが、現時点で、ミーシャさんが「これはいい!」と思ったブランドはありますか?
「日本のFashion Weekは、Fashion Monthsだよね〜」などといつも冗談で話しているのですが(笑)、6週間と長い期間、続いています。それでも本当に沢山のブランドがあるので、行けないところもありますが、仕事の合間にあちこちへ伺っています。良いと思ったブランドは沢山あります。例えば『FUGAHUM (フガハム)』という日本のブランド、すごく好きでした。『シャネル』のクルーズ・コレクションなども良かったです。『G.V.G.V.』などもいいですね、“カジュアルなものをちょっと尖らせる”というようなコンセプトが好きですね。先日のナイトアウト(※)の際には、G.V.G.V.の新作ドレスを着させていただきました。そのときのアクセサリーは、『ヤギ・アメリ』という若い女性が作ったものを合わせましたね。
—最近見つけた注目の新ブランドなどはありますか?
『mame(マメ)』というブランドですね(デザイナー・黒河内真衣子さんが2010年に立ち上げたブランド)。元ISSEY MIYAKEの会社にいた方ですが、とっても繊細で面白い物を作っているので、注目しています。
※ファッションズ・ナイトアウト(FASHION‘S NIGHT OUT/略称:FNO)……米『VOGUE』編集長のアナ・ウィンターの呼びかけで『VOGUE』を発行する全18カ国が一致団結、「ファッション業界の活性化」を目的として行う、世界最大のショッピング・イベント。日本での開催は今年で3年目。今回は、表参道・青山・原宿エリアの420のショップが参加する様々な企画のほか、復興支援のためのチャリティなども行われた。さらに「日本に笑顔が戻りますように」というコンセプトのもと、世界の『VOGUE』編集長たちや国内外のファッションデザイナーが東京に多数集結。スペシャルな回となった(2011/11/5に開催)。
◆ファッションへの興味はDNAに入っていた気がします◆
—ミーシャさんと言えば、独創的なファッション。そのスタイルの確立に、影響を与えた人はいますか?
私がインスピレーションをもらった方は2人います。一人はイサベラ・ブロウさん。イギリス人で、アレクサンダー・マックウィーンや、フィリップ・トレイシーという帽子屋さんを発掘したファッション・エディターです。彼女は非常に尖っていて、ファッションも個性的、まさに“ファッション業界の花”という感じの方でした。残念ながら、私が彼女を知ってから1年も経たないうちに亡くなってしまったのですが、私は彼女から、「自分が身につけたいものは、自由にしていい」という精神を教えてもらいました。
もう一人は、ノブキ・ヒヅメさん。数年前、よく一緒に仕事をしていたカメラマンの方が、「ミーシャが好きそうな帽子屋が、東京にあるよ」と、彼のことを紹介してくれました。彼の作品は、帽子というよりもオブジェ、アートで、彼のサイトに紹介されている作品を見た瞬間から、「素敵!」と私は大興奮しましたね。すぐに直接連絡をとったところ、意気投合し、それから交流が始まりました。2〜3年前くらいからは、ショーのたびに、幾つかの作品を貸していただいています。クチュール品なので、当初は「かぶらせてほしい」とお願いするのを躊躇いましたが、思い切ってオファーしてみたらOKをもらえて。私は、彼の作品を非常に愛していますし、「物をつくるデザイナー」と、「それを心の底から、かぶりたいと思う人物」ということで、「イザベラとフィリップのように良い関係になれているかな……?」なんて思ったりしますね。
—お二人に出会う前のミーシャさんのファッションは、どのような感じだったのですか?
ずっと前から、衝撃的なもの、インパクトのあるものが好きで、今みたいなファッションをしたいと思っていましたが、いわば“手の届かない”世界で、写真で眺めるだけ、という感じでした。文化服装学院にいる頃は、自分で作ってみたり、デッサンをしてみたりもしていましたね。自分自身のキャリアを積んできて、今ようやく、その世界の本物が手に入るようになりましたが、あの頃から考えたら、本当に大興奮だなと思います。東京コレクションなどを見て、「このパーティーにはあれ着たい!」、「今シーズンはあれをオーダーしよう」などと思えるわけですから(笑)。
—幼い頃から、ファッションに興味を持っていたのですか?
母親は主婦で、私や弟の服をよく手作りしてくれていました。近所の母親や子供たちで集まり、テーマを決めてドレスアップするようなパーティーも行っていました。私も、母が使った残布で、ドレスを作ってみたりしましたね。例えば、テーマがヒッピーのときは、母の古いお洋服を利用してみたりして。
バービー人形を使ってファッションショーをするのも好きでしたね。普通の、いわゆるお人形には一切興味がありませんでしたが、色々な服のバリエーションがあったので、バービーだけは好きでした。TVで観たミス・ユニバースの真似をして、水着部門やカジュアル部門など、テーマを決めて着せ替えをしたりしましたね。今思うと、結構暗い遊びをしていたのかも……(笑)。弟に、「ファッションショーが終わったら、そっち(弟)の好きな遊びもしてあげるから」と言って、さんざん付き合わせて、終わったら、「もう疲れたから」と遊んであげなかったりした、そんな思い出もありますね(笑)。
それでも、幼い頃はファッションのことは全く分かっていませんでした。私の住んでいた街は小さく、そもそもアメリカの田舎の一般家庭は、ラグジュアリーなファッションやブランドの世界とはかけ離れていますから。当時はインターネットもない時代だったので、おそらく今よりも、もっと情報が少なかったと思います。私がルイ・ヴィトンの有名な「モノグラム」を初めて目にしたのなんて、関西に留学してきた18歳のときなのですよ(笑)。友達が支払いのときにお財布を出して、そこで初めて「これがヴィトンなの?」という感じで見せてもらったのですね。育った環境もあり、私がファッションに目覚めたのは非常に遅かったかもしれません。でも、ファッションへの興味自体はDNAに入っていたと思いますね。
◆日本は「カラフルで不思議」な国だと思いました◆
—留学生として初めて日本に来られたミーシャさん。なぜ日本を留学先に選ばれたのですか?
私はずっと小さい街にいて、留学前は海外旅行さえしたことがない子供でした。ワシントン州出身なのですが、元々、少し日本との交流がある地域なのですね。それで小学校4年生のとき、日系人のナカガワ先生という方に、和菓子やけん玉、折り紙などの日本の文化に触れさせてもらったのです。最初の印象は、“カラフルな国”。「和菓子もキティちゃんもカワイイし、そういえば、子供のころTVで見ていたセーラームーンも面白かった。何だか日本って面白そう」と思いましたね。ワシントン州と兵庫県との交換留学制度では、1年間も長く行かせてもらえるということもあり、それで日本に決めたのです。
—もし留学先に日本を選ばなかったら、別の街に行っていたと思いますか?
高校のときはフランス語を勉強しましたので、フランスも行き先の1つとして検討していました。フランス語の先生に、「若い頃にパリに行って、楽しかったからフランス語の先生になった」というような話を聞いて、パリという街に憧れも持っていました。
ですが、ファッションや文化、センスや色使いなどについては、日本のほうがずっと不思議だなと感じていました。言葉にしても、フランス語は何となくは理解できるけれど、日本語は全く分からない。本当にちんぷんかんぷん(笑)。ですが、1つの漢字のなかに「言葉」が含まれていることを知ったときに、何だか少し発見といいますか、ひらめいたような感覚があったのです。「日本語は、英語圏の人にとっては一番難しい言葉」だと聞いたので、「よし、それならチャレンジだね」とも思いました。「絶対、流暢に喋れるようになってやる!」という気持ちが生まれまして(笑)。今でも、まだまだ、なのですが。
—2004年、再度日本に来ようと思われたキッカケは何だったのでしょう?
留学後、アメリカに戻ったときには、「どうしてもファッションを勉強したい」と思っていました。ですが私の街は小さく、ファッションを学べるコースがありませんでしたので、とりあえず、グラフィックデザインのコースに入りました。ですが、「やっぱり今のうちに、ファッションのことを勉強したい!」という気持ちが膨らみ、その学校を中退して、日本へ行き、文化服装学院に入ることにしました。
家族や周囲からは、「何のコネクションもない世界に入るなんて、やめなさい!」と何度も反対されました。ファッション業界は、“コネクション”が大事な世界ですので。それでも私の意志は変わらず、「どうせ何のネットワークもないし、『ゼロ』のところから始めるなら、ファッションの本場NYなどではなく、あえて、ちょっと違う、面白い街に行ってみよう」、と思ったのです。留学をしていたことで、日本には少しだけ人の繋がりもありましたので。
—現在のミーシャさんのファッションは、日本に影響を受けていますか?
今はとても影響を受けていると思いますね。渋谷や原宿などのファッション文化が大好きです。今日の服で言えば、例えば、アメリカにいて東京の影響を受けていなければ、ここのところに「チョウチョの柄」は入っていなかったと思います。こんな風に、ちょっとしたキッチュなところ、鮮やかなところ、遊びのあるところが、“私の東京ファッション”ですね。

◆ファッション情報の「発信者」としての日々◆
—自身で運営されているファッション・ブログが、とても個性的で人気を得ていらっしゃいますが、このサイトを立ち上げるに至った経緯は?
以前は、別の会社で、別の情報サイトを管理していました。ですが、「この情報はアップしてはダメ」とか、「もっとこっちの系統のファッションをとりあげて」などと色々と言われて、思うようなサイトは作れていませんでした。そして今年の震災が起こり、私は色々と考えた末、「自分の道を進まないといけない」と感じたのです。「ジャーナリストとしても、スタイリストとしても、色々な面白い方に接触できているのに、それを紹介できないのは勿体ない!」という思いがありました。クリエイターの中には、堂々と自分の『声』をあげられず、作品やセンスを外部に出せないでいる人もいましたので、私はアメリカ育ちのお陰でしょうか、恥ずかしがらずに、「これは素敵だぞ!」と言ってしまえる性分なので、これを活かして何かできるかもしれないと思いました。
例えば、素敵なアーティストを発見したとき、それを友達に聴かせて、「それ、いいね」と言ってもらえると、すごく嬉しかったりしますよね? 子供の頃、私もよくやりましたが、それと全く同じような感覚です。自分が「これはイイ!」と思ってファッション情報を出して、皆さんが「それ面白い!」と反応してくれるのが、一番嬉しいです。とにかく「自分の世界感」にこだわっているので、掲載する情報は精査しています。「記事を載せてほしい」と依頼されることもありますが、「うちのテイストに合わない」と感じたら、記事にはしません。でも、一度「これは違うかな」と思ったブランドでも、次のシーズンに面白いものを出していたら、掲載したりもします。日本の情報サイトの多くは、プレスリリースをそのまま流しているだけで、自分の意見を出しているところが少ないですよね。私は、背景の話だとか、面白い“プラスα”の話をたくさん発信したいです。それでなければ、私自身がブログをやっている意味がない、と思っています。
—中国語での記事も、発信し始めたとお聞きしました。
はい。中国ではTwitterとFacebookをミックスしたような、『weibo(ウェイボー)』というSNSが主流で、人気のブログだと2000万人くらいのフォロアーがいるそうです。ここ以外は誰も見向きもしない、という状況なので、私もその中にある、「マイクロブログ」というものにアップしています。記事を書いた後、中国の友人に送り、広東語と北京語の2種類に訳してもらって、それをまたこちらで編集して掲載する……という流れです。
—ミーシャさんのブログは写真もとても素敵ですね。ご自身で撮影もされるのですか?
私が撮ることもありますし、大きな仕事のときは、カメラマンのタナベ・マミさんに頼むこともあります。マミの撮る写真は、少しだけ、“ぼかし”が入っていて、そのドリーミーな感じがとても好きなのです。プライベートで軽く撮ったような写真でも、皆が褒めるくらい素敵で、彼女の世界があります。私が撮る写真は、彼女の写真とは違い、ピントをきっちり合わせているものが多いですが、今日の気分は青、今日はピンク……という風に、Photoshop(写真編集ソフト)の色々な「フィルター」を使って編集をしています。
—ミーシャさん自身がよくチェックされているサイトはありますか?
毎朝チェックするのは、海外のファッション情報サイト。ファッション業界のゴシップなども一応目を通します(笑)。それ以外では、テクノロジー関係ですね。例えば「どんな新しいガジェットが出たのか?」とか、「Appleは次にどんな製品を考えているのだろうか?」……等々。最新のテクノロジーをもった製品が好きで、いつもすぐに欲しくなってしまうのです。
時々チェックして、インスピレーションをもらっているのは、「ラグジュレア・ドット・コム(http://luxirare.com)」というブログです。記事の題材はファッションとグルメで、自分の作っている作品の過程や写真などが掲載されています。筆者は顔を出されていませんが、アジア系のアメリカ人だそうです。非常にプレゼンテーションが上手だし、アイデアがあると感じますね。写真も綺麗で大きくて。自分のブランドを持っているというか、世界観があります。私は何においても、「これは、この人にしかできない」という“自分だけの世界”を持っている人が好きですね。
—ミーシャさんのブログも、まさに“自分だけの世界”がありますよね。
日本は、タレントでも女優でもない、一般のブロガーが注目されることは少ないですが、これからもっと増えていくと楽しいですよね。私にとって、ブログは、意見やセンスを持って自分の世界を作り上げて、外の世界の人が「共感」をしてくれる……いわば「小さな宇宙」、「プチ・コスモス」だと思っています。
◆落ち込んだときは、自分に「すごいよ!」と言ってあげます◆
—ミーシャさんご自身について伺いたいと思います。現在の、一日の流れは?
最近の大まかな流れで言うと、11時くらいに起きて準備をして、珈琲を飲みながら海外のブログなどをチェックします。それから展示会に出て、最近は取材を受けたり、事務所に行って打ち合わせをしたり、メールチェックをしたりします。それからファッションブランドのレセプションなどに出向き、深夜にその日のブログの更新をするのですが、非常に長い時間かけていますので、遅いときは朝5、6時に寝ている、という感じです。最近は本当に忙しくて、月に1度くらいしか、友達と外食する時間がない状況で、普段の食事は大体パソコンの前で食べていますね。
—素のミーシャさんは、どのようなファッションをされているのですか?
部屋にいるときは、もちろんノーメイクのこともありますし、カジュアルな服を着ているときもありますが、といっても、外に出るときだけ「猫をかぶっている」というわけではないと思います(笑)。私は普段、殆どパンツを履きません。ワンピースとスカ−トばかりです。ジーパンは5年くらい履いていなかったのですが、去年LEVI’Sさんのキャンペーンに関わり、1本いただいたので、それをたまに履くくらいです。コンビニに行くときでも、スカートを履いて、バレンシアガのTシャツなど着て、メイクをしていなければ大きなサングラスをかけて、髪はカチューシャやバンダナなどをして、きちんとオシャレして行きますね。オン・オフはあまり意識していないです。
実は、一度そのことでハプニングがあったのです。1年前くらいでしょうか、近所の郵便局に急いで出さなければならない物があり、本当に時間がなくて、ジーパンにTシャツ、サングラスだけで飛び出してしまって。その後、部屋に戻ったら、Twitterで誰かが「ミーシャさんとすれ違ったけど、ラフな格好だった」などと呟かれていまして……(笑)。「あ、もう(顔が知られてしまったので)無理だな」と思いましたが、といっても、私はタレントではないので、帽子とサングラスかけて、地味に目立たないように変装して……なんていうのは『私』じゃないな、と思います。
—ミーシャさんと話していると、とてもポジティブなエネルギーを感じますが、落ち込んだりネガティブになったりすることはありますか?
もちろんあります。ファッションショーに招かれて、最前列で見ているときでも、周囲が知らない人ばかりだったりすると、急に寂しくなったりすることがあります。変な話ですが、「招待状が誰々には届いたけれど、自分には来なかった」というときもやっぱり寂しくなりますしね。家族や愛する人たちが遠くに離れているので、「私の世界を分かってくれない」「話が通じない」ということがあると、やはり落ち込みますね。
—そこから、どうやってポジティブに立ち直るのでしょう?
一瞬、落ち込んで、でも、「私はここまで頑張ってきた。100%、いや110 %、頑張ってる!」と奮い立たせます。自分で自分に、「これは、すごいよ」と言ってあげたりしますね。それで、「自分なりのスタンスやセンスがあるなら、そのことはもういいじゃない。あの人が自分のセンスを認めてくれないなら、それはそれでいいよ。他の仕事も溜まっているし、それをやろう!」と頭を切り替えます。
—自分のセンスを信じて貫く、まるでイザベラ・ブロウさんのようですね。
いえいえ。彼女はもっとすごくクレイジーで尖った人で、周りを全然気にしない人でした。私はクレイジーではなく、結構、周りを見ている部分もあると思います。でも彼女は私の“1つの憧れ”ではありますね。
◆ミーシャさんからのファッション・アドバイス◆
—「見た目の美しさ」とファッションは切っても切り離せないものですが、ファッションは、メンタル面にも影響を与えると思いますか?
ファッションって、すごく“エモーショナル”なもの。なぜ洋服や小物たちが、こんなにも心を揺らすのか……。本当にすごい存在だなと思います。素敵な物を身につける、それだけでハッピーになれますよね。いつもと違うファッションをすれば、それだけで周囲の人にも、「今日は彼女、気分が違うのかもね」と伝わります。逆に、気持ちがダウン気味、という日であれば、ファッションを利用して気分をあげることもできますので、ファッションをもっとエモーショナルなところで利用してもらえたらいいなと思います。
時折、奇抜な服を着て外に出ると、「レディー・ガガみたいな人がいる」と変な目で見られたりしますが、自分に元気がないと、私も「そんな目を向けられて辛いな」と感じるときがあります。でも、「朝、私はそういう気分だったのだな」と認めてあげて、「そう、私はこういう気分なの!」と思い直したりしますね(笑)。
—ファッションに自信がない、今の自分から大きく変身することが恥ずかしい……そんな人に、オシャレへの一歩を踏み出すためへのアドバイスをいただけますか?
自分の例でお話しますね。私はこういう好きな洋服、ちょっと奇抜なものを着ていますが、でも写真を見て「素敵な服を着ているのに、なぜだろう。髪の毛が満足いかないんだ」と思っていました。それで、自分とまったく同じ髪型のウィッグが欲しいと思い、Twitterで「オーダーメイドができるウィッグ屋さん、誰か知らない?」と呟いたら、ウィッグを作っている方の娘さんから連絡があり、一度、お試しで作ってもらったのです。それを被って出かけたら、「カワイイ」と沢山の方に褒めてもらえるようになり、非常に自信がつきました。髪の毛って本当に大事だなと気付かされました。
ですので、私のアドバイスとしては、「髪型を意識してみて」ということですね。私は以来、ウィッグに興味が湧き、ブランドを作ろうと思って、早速会社を立ち上げました。「株式会社トッテオキ」という社名にして、ブランド名は「プラム(Plumb)」といいます。モード性、ファッション性の入った、クオリティの高いウィッグです。(ファッションショーの)ランウェイから見るような“キャンディカラー”のメッシュのものとか、そういった遊び心もある綺麗なウィッグを、皆が手の届く範囲の金額で作りました。ウィッグはルックスを簡単に変えるのを楽しめるけれど、すぐ外せるので、ちょっと冒険したいときにはおすすめですよ。
—髪型のチェンジであれば、始めやすいですね。
はい。髪型をちゃんと気にしている人は、可愛く見えます。しかも、雰囲気を大きく変えることができます。アイロンをかけてカールするだけでも、かなり違って見えますよ。ちなみに、私は今日もウィッグをつけていますが、私のブランドのウィッグは2012年頭にデビューを予定しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
◆メイク、美容、食事……ファッション以外で気をつけていること◆
—メイクにも、ミーシャさんらしいスタイルがありますね。
今のメイクスタイルは、3、4年くらい前からやっているものです。“キャットアイ”や、このリップのスタイルですね。昔は上手にできなくて、今、見ると「うわー下手だったな」と思ったりしますね(笑)。最近は、メイク道具自体がとても進化していて、にじまないものや、非常に細いリキッドアイライナーなどもよく浸かっています。今日のリップは、海外で買ったグロスで、日本では買えないものです。私のメイクテーマは、テクノロジーが大好きなので、“フィーチャリスティック”という感じかな。
—とても色白でいらっしゃいますが、美容面で気をつけていることはありますか?
中学の頃から毎日、日焼け止めだけは塗っています。夜でも、冬でも。ただ、私の父親の肌が真っ白なので、色が白いのは遺伝的な要素が大きいかもしれません。逆に、日焼けがしたくてもやけどみたいになってしまうので、できないのです。母親はイタリア系の血で、オリーブ系の肌なので、家族でメキシコに行ったとき、喜んで焼いていましたが、私はビーチで日傘……という感じでした(笑)。色が白すぎて、フラッシュを焚いてカメラを撮ると、鼻が消えてしまったり、目だけが鷹みたいに真っ赤になったり、怖い感じに写ってしまうのは悩みです(笑)。
化粧品は、キールズ(Kiehl’s)の製品を使っています。他のブランドのサンプルをもらっても、これだけは、使うのをやめません。日本に入って来ていない商品ですが、夏に上海で、化粧水に白っぽい砂が入っているものを買いました。つけた瞬間はちょっと気持ち悪いのですが、毛穴がきゅっと引き締まるので、暑い時期はとても助かりましたね。
—スタイル維持のために、食事面で気をつけていることはありますか?
実は7月末から5キロくらい体重を落として、今もダイエット中です。以前は、甘い物も好きで、食べ物を残すのが嫌いなので、レセプションなどで食べ過ぎてしまったりしていましたが、今は色々と我慢をしていますね。基本は和食で、ちくわとか練り物系が大好きなので、毎日おやつやおかずにしています。カロリーも低いし、タンパク質も豊富で、栄養もありますし。睡眠時間があまり取れていないので、ヘルシーな食べ物でカバ−しなくてはと思っていますし、食べないのは辛いので、きちんと食べています。ゆで卵や練り物系を中心にしていて、サラダなどは満腹感が得られないので、あまり食べませんね。夜、ブログ書いていて疲れたときなどは、リンゴを丸かじりします。炭水化物は毎日1つだけにしています。赤飯が大好きで、毎日食べています。餅米なので、腹持ちもいいし、小豆にはタンパク質も含まれているので。少し塩味がするのもいいですね。
—「お赤飯好き」とは、ミーシャさんの意外な一面を見た気がします。
自分で「赤飯バカ」だと言っているくらいです(笑)。全てのコンビニの赤飯おにぎりも比較したりして、セブンイレブンのものが一番お気に入りです。一度「とらや」の赤飯を食べてみたいなと思っています。「赤飯はお祝いのときに食べる」と聞いたので、時々、「毎日セレブレーションなの、毎日祝っているの」などと冗談で言っています(笑)。卯の花やひじきの煮物も大好きで、本当に和食好きなので、逆にアメリカに行くときは、食べ物に困るくらいです。
—今日のアクセサリーや小物、とても素敵ですが、どちらのものですか?
アクセサリーは、「“今の気分”のネックレスや小物」を幾つか揃えていて、そのシーズンはそれらを重ね付けしています。毎日順番に少しずつ変えている、という感じですね。今日の胸元のアクセサリーはNYの5番街にあるアクセサリー屋さんで買ったものと、ロンドンにある『マウイ(Mawi)』というブランドのものを重ね付けしています。リングは、それぞれ『FLAKE(フレーク)』、『NaNa-NaNa(ナナーナナ)』、『Coffy(コフィー)』というところのもの。あと1つは、母親から誕生日プレゼントでもらった、海外のものです。母は、特別にファッションのセンスがある人ではないので、「ミーシャへの買い物はしづらい」といつも言ってくるのですが、このリングは、センスバッチリでしたね(笑)。靴は、海外からネット通販で「面白いな」と思って買ったものです。
—今読んでいる本はありますか?
時間がなくて、最近本のほうは読んでいません。文字はウェブサイトで読んでいますね。『ニューヨークタイムズ(The New York Times)』のファションコーナーや、「ファッショニスタ・ドット・コム(http://fashionista.com/)」、後は先ほどの、「ラグジュレア・ドット・コム(http://luxirare.com)」などのサイトを、起きてすぐ、寝る前にチェックしています。
—最近、一番感激したギフトは?
ISSEY MIYAKEさんから頂いた、このバッグです。折り紙のような日本的なエッセンスも入っていて、色はチョイスさせてもらったのですが、鮮やかで、とてもお気に入りです。大切に使っています。どこに行っても、「素敵!どこのバッグ?」と聞かれますね。先日のファッションズ・ナイトアウトでも、ロベルト・カヴァリ氏が、このバッグを見て、「ラブリー、ラブリー。どこのもの?」と声をかけてくれて。「このバッグを持っていて良かった!」と思いました(笑)。
—お気に入りのバケーション先は?
東京の次に好きな街は、N.Yですね。おすすめの旅行先でいえば、3年前に旅行したクロアチアです。地中海付近の、ドブロブニクというところがあるのですが、ジブリの『魔女の宅急便』で描かれていた、そのままの街が広がっていて、とても素敵なところでした。ユーロ圏ではないので、物価も安いですし、観光客も多いですが、まだ少し穴場かもしれません。食べ物も、レストランを選べばですが、とても美味しかったですね。
−東京でお気に入りの街はありますか?
行きつけのバーがあったり、クリエイターたちが一杯住んでいたり、という意味では、中目黒と代官山ですね。後は今住んでいる代々木も大好きです。代々木公園が近くて、癒されていますね。原宿や渋谷は近いですが、少し離れていて静かなところも気に入っています。最近はさすがに目立つので止めてしまいましたが、少し前は、よく自転車でも移動していましたね。
—お気に入りの休日の過ごし方は?
私は、プライベートと仕事の区別がありません。朝から寝る直前まで、ずっと仕事をしているタイプですが、「私の人生=ファッション」なので、嫌な作業というのは全くありませんね。好きな時間の使い方で言えば、パーク・ハイアットのデリカテッセンで一杯飲みながら、iPadでメールの返事をしたりすること。あとは、ファッション業界の人が集ってくるという意味で、渋谷の隠れ家的なお店で飲むのも好きですね。「シロクマ」という、夜しか空いていない小さいお店ですが、良い意味で、とても個性的な雰囲気のお店です。いつか、自分でカフェやラウンジをオープンさせたいな、と思ったりもします。「クリエイターたちが、ここに必ず集まっている」なんて場所を、いつか東京に作ってみたいですね。
PROFILE
Misha Janette(ミーシャ・ジャネット) /1983年米国ワシントン州生まれ。高校生のときに留学生として神戸に約1年間滞在、日本のカルチャーや東京ファッションの魅力に開眼する。2004年に再来日し、文化服装学院スタイリスト科を卒業。現在は、スタイリスト、ファッションジャーナリスト、ファッションブロガーとして多方面で活躍中。ミュージシャンや国内外の雑誌などでスタイリングを担当するほか、英字新聞ジャパンタイムズやヌメロ東京、装苑、ヴォーグガール、そして多数中国とアジア圏のファッション誌ではファッション記事を寄稿。テレビ出演なども行っている。
URL : http://www.tokyofashiondiaries.com/










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