食に関心を持ったのは、ご自身の病気がきっかけという「日本リビングフード協会」代表、いとうゆきさん。彼女が健康を取り戻したのは、近年日本でも話題になっている「リビングフード(生きた食べ物)」でした。現在では、自身が感じた「食の安全」や「環境保全の大切さ」を、料理教室やセミナーを通して提唱しています。今回は、リビングフードが心身の健康と幸せなライフスタイルに繋がる理由を伺ってきました。
◆きっかけは、自身の病気から◆
―日本リビングフード協会を立ち上げるまでの経緯を聞かせてください。
米国に留学し、テンプル大学アメリカ研究科を卒業しました。留学中に初めてベジタリアン料理に出会い、ベジタリアン・レストラン巡りを趣味にしていましたね。卒業後は仕事の関係で、タイやマレーシアなど東南アジアに暮らし、ここでの生活を通じ宗教的な意味合いを持ったベジタリアンと接することで、さらにベジタリアンに対する興味が増していきました。帰国後、東京にあるマクロビオティック料理教室の老舗「リマ・クッキング・スクール」、米国カリフォルニア州にあるLiving Foods専門学校「Living Light Culinary Art School」、プエルトリコにある「Ann Wigmore Natural Health Institute」を卒業し、現在、日本でリビングフード料理研究所LIVEggiesを主宰しています。
―いとうさんがリビングフードを広めようと思ったきっかけは?
社会人になってからアトピー性皮膚炎と過敏性腸症候群に悩まされ、症状が悪化するに伴い、それまでのOL生活を断念せざるを得なくなりました。一時は人生が真っ暗に思えたのですが、ここで負けてはいけないと、西洋医学から代替療法まで様々な治療法を試しました。そして、私にとって健康を取り戻す最も効果的な方法がリビングフードだったのです。当時、先が見えない真っ暗なトンネルにいるような状況のなか、病院や治療院で「どうやったら治るのだろう…」と一緒に悩んだ人々に、「私はこれで健康を取り戻したよ!」と伝えたい一心でこの協会を立ち上げました。
また、私が身体を壊したからこそ気付いたことは「私たちの身体、細胞は、私たちが食べたものでつくられる」ということです。非常にシンプルですが最も本質をついているといえます。健康であれば、こんなことは真剣に考えなかったかもしれません。しかし心身共に健康で輝く人生を送るために、食を見直すのはとても大事なことである、ということを皆様にももっと知って頂きたいと思ったのです。
◆リビングフード“?”から始まった日本への普及活動◆
―リビングフードとは、どのようなものか教えて頂けますか?
リビングフードは、ローフードと呼ばれることもある「酵素に着眼した火を使わない生食料理」のことを指します。近年、ハリウッド女優やトップモデル、欧米のセレブの間でも、食物酵素を考えたこの食事法が注目されていますね。ローフード“RAW FOOD”とは、「生」の食事のこと、リビングフード“LIVING FOOD”とは「生きている」食べ物を意味し、どちらも食物に含まれる生きた酵素と栄養素を体内に取り込む食事法のことです。しかし一方で酵素は熱に弱く、48℃で破壊され効力は失われていきます。そこで「生のまま食べる」のです。
―リビングフードを、初めて日本に紹介した時の反応はいかがでしたか?
当初はリビングフードもローフードという言葉も聞いたことがないという方がほとんどでした。「マクロビオティック」という玄米菜食がブームになりつつある頃で、健康食や自然食、菜食に興味を持つ方は増えている傾向はありましたが、「酵素」に注目して火を使わない生食料理はなかなか想像しがたいものだったようです。しかし、料理教室やセミナーで料理のデモンストレーションをすると、調理の簡単さと料理のバリエーションの広さに皆さん驚かれていましたね。
―最近の日本国内でのリビングフードの広まりをどう感じていますか?
そうですね、日本国内にも浸透していることはもちろん感じています。私が協会を立ち上げた7、8年前はリビングフードやローフードという言葉を聞いたことがある人はほとんどいませんでしたが、最近はイベントの参加者の半分以上の方が言葉は聞いたことがあり、何人か実践しているという方もいますね。マスコミの取材も多くなっていますし、それだけ注目は高まっていると思います。しかし、正しい知識を持ってらっしゃる方というのはまだ少ないかな、と思います。日本だと書籍をはじめとした情報源が少なく、少し偏った知識の方もいるように感じられるので、これからは正確な知識をもっと伝えていきたいです。
―リビングフードを日本に広めるに当たり、困難だったことはありますか?
こう言ってはおかしいかもしれませんが、私は無理矢理リビングフードを広めようとは思っていません。「本当に良いものであれば自然に広がる」という考えのもとに、まずは自分が楽しみながら実践し、心と身体で感じた効果をそのまま伝えているだけです。そして、興味を持ってくださった方には正しい知識をお伝えしなければならないという責任は感じています。リビングフードという食事法が必要になった時、興味が出た時にご縁があればと思っています。ですからあまり困難だと感じたことはないです。
―近年の日本人の食生活については、どうお考えですか?
日本の食事は欧米化してしまって、その影響で背は高くなりましたが、肥満や生理痛がひどくなったり、精神面のコントロールが効かなくなったりというのが多いと思いますね。これは、日本も昔は漬物や自家製の味噌、納豆など発酵食品を自然と口にする機会が多くありましたが、それが少なくなってきたことが原因の一つだと考えています。
しかし昔から日本の女性は、世界のなかでも人気があります。昔ながらの日本食の良さを見直していけば、日本人女性本来の美を取り戻せるのではないでしょうか。





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